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ツマアカスズメバチの生態と巣の特徴、正しい駆除方法について【特定外来生物】

スタッフ
2025.10.09更新
ハチ退治の専門家が丁寧に教えます!
ツマアカスズメバチ

「この黒っぽいスズメバチは何?」
「外来種らしいけど、危険なの?」
「もし見つけたら、どうすればいいの?」

こんにちは!みんなのハチ駆除屋さんの日向です。
ここ数年、日本の生態系と私たちの安全を脅かす存在として注目されている、特定外来生物「ツマアカスズメバチ」

2012年に対馬で国内初確認されて以降、その生息域は徐々に拡大し、国を挙げての対策が急がれています。しかし、その正体や本当の危険性については、まだまだ知られていないことが多いですよね。

この記事を読めば、以下の点が明確になります。

もしもご自宅の蜂の巣がツマアカスズメバチの巣で、お庭で遊ぶお子さんのことを考えると、万が一刺されてしまったら…と、本当に気が気じゃないですよね😭

その不安な気持ち、私たちに“まるっと”おまかせください!
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【最重要】ツマアカスズメバチを見つけたら?絶対にやるべきこと

まず最も重要なことをお伝えします。
ツマアカスズメバチは、個人での駆除は絶対にしないでください。

ツマアカスズメバチは国が根絶を目指す「特定外来生物」であり、生息状況の記録が極めて重要です。
もしツマアカスズメバチと思われる蜂や巣を見つけた場合は、以下の行動を徹底してください。

  1. 刺激せず、静かにその場を離れる(最低でも10m以上)
  2. 可能であれば、遠くからスマートフォンのズーム機能を使って写真を撮る
  3. お住まいの地域の【市役所・役場の環境課】または【地方環境事務所】へ連絡し、情報を提供する

連絡の際は、「いつ・どこで・どんな状況で見たか」を伝え、写真があれば提供しましょう。
これは、日本の生態系を外来種の脅威から守るための、非常に重要な行動です。

なぜツマアカスズメバチを見つけたら通報が必要なの?

ツマアカスズメバチは凄まじい繁殖力と適応能力を持ちます。
一匹の女王蜂から始まったコロニーが、数年で広範囲に拡大する恐れがあるからです。
早期発見・早期駆除が、日本全土へのまん延を防ぐ唯一の方法なのです。
あなたの情報提供が、被害の拡大を食い止める大きな力になります。

ツマアカスズメバチ vs オオスズメバチ!違いと危険度を比較

「結局、日本最強のオオスズメバチとどっちが危険なの?」という疑問にお答えします。
結論から言うと、危険性の種類が異なります。

比較項目 ツマアカスズメバチ
(侵略者)
 オオスズメバチ
(在来の王)
見た目 ツマアカスズメバチ オオスズメバチ
見た目の特徴 全体が黒っぽく、腹の先端だけがオレンジ色 全体的にオレンジ色が強く、頭部が大きい
毒の強さ オオスズメバチよりは弱い 最強クラス。毒の量も多い
攻撃性 巣に近づいただけでも攻撃し、200mも執拗に追跡する 巣に近づかなければ比較的温厚。ただし戦闘時は凶暴
巣の形 ツマアカスズメバチの巣 オオスズメバチの巣
巣の大きさ 巨大(直径20cmから80cm、1メートルほどになることも) 最大級(27cmから90cm、1メートルを超えるものも)
巣の場所 高所の木の枝、建物の壁など開放的な場所。田園地域や都市でも巣が確認されている 土の中、木の根元、屋根裏など閉鎖的な場所
危険度の本質  生態系への影響が甚大。ミツバチを捕食し、養蜂や農業に大打撃を与える 人間への直接的な脅威が最大。アナフィラキシーショックのリスクが最も高い

【結論】どっちが危険?

一撃の殺傷能力や毒の威力で言えば、間違いなくオオスズメバチが上です。
しかし、しつこさ・執拗さと、生態系全体を破壊する「侵略者」としての脅威ではツマアカスズメバチが極めて危険です。

都市部や住宅街の高所にも平気で巣を作るため、知らずに遭遇するリスクは今後ツマアカスズメバチの方が高まるかもしれません。

2020年から2025年のツマアカスズメバチに関する最新情報と今後の拡大予測

ツマアカスズメバチは、2012年(平成24年)にはじめて日本国内へ侵入しました。
その後、環境省から「特定外来生物」として指定されています。

ちなみに「特定外来生物」とは、外来生物のうち人の生命や農林水産業に被害を及ぼすものに対して指定されるものです。

2012年に対馬市で初確認されて以降、ツマアカスズメバチの動向はどうなっているのでしょうか。 2025年7月現在の最新情報をお伝えします。

国内の定着状況としては、現在、公式に「定着」は確認されていません。
現在は、九州地方を中心に、国と自治体による懸命な防除活動が続けられています。
本州・九州での確認事例は次の通りです。

(参考:「ツマアカスズメバチ防除計画」九州地方環境事務所|令和5年改訂版

外来種・ツマアカスズメバチの特徴と生態

改めて、ツマアカスズメバチの基本情報を見ていきましょう。

分布・分類

飛ぶツマアカスズメバチ

写真:環境省提供

和名 ツマアカスズメバチ
(英名:Asian yellow-legged hornet)
学名 Vespa velutina Lepeletier
分類 ハチ目スズメバチ科スズメバチ属
原産 インドネシアジャワ島
分布 東南アジア、インド、パキスタン、中国、台湾などに11亜種が分布(※亜種:同じ種で地理的な差異があるもの)
その他ヨーロッパに分布
大きさ 女王蜂:約30mm
働き蜂:約20mm

体は全体的に黒っぽくお尻の先の方にかけて赤褐色をしている点が特徴です。

「ツマアカスズメバチ」という名前は、体の先端が赤みを帯びていることから名付けられたそうです。

「最凶のストーカー」と呼ばれる執拗な攻撃性

ツマアカスズメバチの毒は、在来種より特別強いわけではありません。
しかし、その攻撃性は異常です。
巣に近づいただけでも攻撃態勢に入り、一度敵と見なした相手を約200mも執拗に追跡したという専門家の報告もあります。
このしつこさこそが、本種の最も恐ろしい特徴の一つです。 絶対に巣には近づかないでください。

生態系を破壊する食性

食性は雑食で、主にハエ類やミツバチ類,トンボ類などの昆虫類を捕食します。
とくに日本のミツバチは、スズメバチから捕食されることを防ぐため、天敵であるオオスズメバチへの対抗策は持っていても、ツマアカスズメバチの狩りには無防備です。
対馬では、養蜂の巣箱が全滅させられる被害が報告されており、ミツバチが激減することによる農作物(果物や野菜)の受粉不足も深刻な問題となっています。

ミツバチに襲いかかるツマアカスズメバチ

日本では2012年に対馬に侵入しました。日本在来種のスズメバチに比べるとやや小型ではあるものの、その攻撃性は油断できません。

繁殖能力

ツマアカスズメバチは適応能力が高く、生息域を急速に拡大します。
おもに森林や田園地域に生息しますが、都市部での生息も容易です。
生息地域が多岐にわたることから繁殖スピードも早く、2000年代ヨーロッパでも急速に生息域が拡大しました。

ヨーロッパでは2005年にフランス南西部のみで確認されていましたが、その後生息域を拡大し、2012年にはスペイン、ポルトガル、ドイツ、ベルギーでも確認されています。

陸続きの土地が繁栄を後押ししたこと、ヨーロッパ在来のスズメバチは小型種が中心で競合相手が少なかったこと…などさまざまな要因が考えられるものの、その適応能力の高さは侮れません。
現在、韓国では在来種を上回る数のツマアカスズメバチが生息しているとのこと。
日本でも1年のうちに対馬全域に定着するなど、急速に生息域を拡大しています。

天敵

攻撃性の高いツマアカスズメバチですが、もちろん天敵も存在します。
スズメバチを捕食するハチクマ(鷹の一種)、体内に寄生する寄生虫、そして私たち人間などです。
ただしツマアカスズメバチを根絶できるほど強力な敵ではないことは確かです。

また、よく「オオスズメバチとツマアカスズメバチはどっちが強い?」といった疑問も耳にします。

毒の強さや威力で言えばオオスズメバチが上回る可能性が高いものの、生息域の拡大種の繁栄といった適応能力の面で言えばツマアカスズメバチに軍配が上がるかもしれません。

高所に作られる巨大な巣

ツマアカスズメバチの巣


初期の巣は茂みなどに作られますが、群れが大きくなると木の高い枝や、時には高層ビルの壁面など、開放的で目立つ場所に巨大な巣を作ります。
巣は縦長のしずく型で、大きさは50cmから70cmに達することもあります。
ピーク時の働き蜂の数は数千匹にもなり、大変危険です。

初期の巣は地中や茂みの中に作られますが、群れが増えると高所(木やビルの壁)に移動するケースが多いです。
場合によっては、地上20mもの場所に巣を作ることもあります。

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ツマアカスズメバチの侵入経過

ツマアカスズメバチの原産国はインドネシアのジャワ島。
その後貿易などの影響でヨーロッパ・アジアに生息域が拡大し、日本にも侵入が確認されました。
アジア圏では、主に中国南部、台湾、東南アジアに生息していましたが、2012年(平成24年)に長崎県対馬市で確認されて以来、日本でも勢力を伸ばしています。

ここでは、ツマアカスズメバチの日本への侵入経過を解説します。

日本への侵入は2012年(平成24年)

ツマアカスズメバチは、2012年(平成24年)にはじめて日本国内へ侵入しました。
その後、環境省から「特定外来生物」として指定されています。

ちなみに「特定外来生物」とは、外来生物のうち人の生命や農林水産業に被害を及ぼすものに対して指定されるものです。

2013年 長崎県対馬にて生息を確認。2012年には侵入していたとされる。(※)
2015年 環境省より特定外来生物に指定。
福岡県北九州市で営巣を確認。
2016年 宮崎県日南市で確認。
2018年 大分県大分市で確認。
2019年 山口県防府市の街路樹にて営巣を確認。本州にて初確認。
2020年以降〜 国と自治体の現地調査・巣の根絶により、定着を防ぐ。

(※参考:「ツマアカスズメバチ」国立環境研究所侵入生物データベース

外来種のツマアカスズメバチは日本に定着している?

ツマアカスズメバチは対馬をはじめとする九州地方のほか、2019年には山口県の一部ですが確認されていますが、いずれも定着は確認されていません。
2025年7月現在の、ツマアカスズメバチが発見された場所は次の画像の通りです。※随時更新

2025年7月時点で生息が確認された場所は九州あたり

なお、本州で初めて確認された山口県防府市では新たな個体は発見されていないとのこと。
その他の県でも引き続きモニタリング調査が実施されており、定着しているか否かが調査されているところです。

ツマアカスズメバチの対策方法

ツマアカスズメバチの対策は、現在国が計画的に進めている段階です。
私たちは、自身やご家族が被害にあわないための対策を行い、国の対策を支援する必要があります。

ツマアカスズメバチの防除は、到底一般の方が対処できるものではありません。
「駆逐のため、より大型の蜂を放せばいいのではないか…」といった声も挙がっているようですが、現実的ではなく大変危険です。

ツマアカスズメバチの根絶は今すぐ達成できるものではありませんが、これ以上の拡大を防ぐためにも、見つけたらすぐ役所へ連絡を入れるようにしてください。
もしツマアカスズメバチではなかった場合でも、役所が駆除対応してくれるケースもあります。

もし役所が駆除対応を行っていない場合は、私たちみんなのハチ駆除屋さんにご相談ください。
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2025年、イギリスではツマアカスズメバチの巣の探知技術に新たな進展

アジアを原産とするツマアカスズメバチ(Vespa velutina)が、ヨーロッパ各地で急速に生息域を拡大しています。
ツマアカスズメバチ(アジアスズメバチ)は、2004年にフランスで初めて確認されて以降、イギリス、ベルギー、スペイン、イタリアなどへ拡大し、在来のミツバチなどを捕食して生態系や養蜂業に深刻な被害を与えています。

とくにベルギーのブリュッセルでは2025年、ツマアカスズメバチの目撃情報と発見された巣の数が過去の記録を大幅に更新しており、定着への懸念が高まっています。
温暖な冬の影響で女王蜂の越冬成功率が上がっていることも、増加の一因と考えられています。
参考:ブリュッセルでアジアスズメバチが増加:巣の破壊が5倍に(翻訳)|ザブリュッセルタイムズ

スズメバチ対策として巣の早期発見・駆除が重要となる中、イギリスのサウサンプトン大学の研究チームが画期的な発見をしました。

ツマアカスズメバチを始めとするアジアスズメバチの巣が、125ヘルツという特有の周波数の羽音を発していることを特定したのです。
この発見により、将来的には音響センサーなどを用いて、広範囲から効率的に巣を探し出す技術への応用が期待されています。
参考:スズメバチの独特な羽音は外来種を抑制する秘密かもしれない(翻訳)|ガーディアン紙

まとめ:ツマアカスズメバチの脅威に正しく備えよう

最後までお読みいただきありがとうございます。
特定外来生物ツマアカスズメバチについて、その特徴や危険性、最新情報をご理解いただけたでしょうか。

蜂に関するお困りごとは、いつでも私たちにご相談ください。
この記事があなたの安全を守る一助となることを、心から願っております。

ここまでは、みんなのハチ駆除屋さんの日向がお届けしました。
蜂に関してお困りごとがあれば、私たちにご相談くださいね。

あなたの疑問・不安が解決されること、安全にお過ごしいただけることを願っております!

この記事を監修したハチ退治の専門家

スタッフの写真

日向 準(ひむかい じゅん)

ツマアカスズメバチは日本での刺傷事例は少ないものの、世界各国では刺されたことによる死亡例も多数あるようです。
この種に限らずとも、巣を見つけたら早めに対処すること・むやみに近づかないことを念頭に置いておきましょう。

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