「スズメバチに天敵っているの?最強って聞くけど…」
「もしかして、天敵を使えば刺されずに済むんじゃない?」
みなさんこんにちは!
みんなのハチ駆除屋さんのスタッフ、日向と申します。
世界最強の昆虫ともされているスズメバチ。
そんなスズメバチにも天敵はいるのか、もしいるならばうまく利用できないのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
実はスズメバチにもたくさんの天敵がいます。
しかし、スズメバチの天敵を利用して刺されないような対策や駆除を行うことは難しいかもしれません!
というのも、スズメバチの天敵を使った駆除は成功率が低く、個人で行うことが困難なためです…。
この記事では、スズメバチの天敵について気になっている方へ向けて次の3つのことを詳しく解説いたします。
一度刺されただけでも命を脅かす危険があるスズメバチ。
あなたや周りの方の身を守るためにも、ぜひ最後までチェックしてくださいね。
あなたのスズメバチに関する疑問や不安を解決できれば幸いです。
それではさっそく、スズメバチの天敵について見ていきましょう!
※すでに巣が作られているのであれば、安全のためにもすみやかに対処する必要があります。
今すぐスズメバチを駆除したい方、巣を見つけてお困りの方はみんなのハチ駆除屋さんにお気軽にご相談ください。
蜂の巣駆除の料金・到着時間はこちらのページにくわしく記載しております。
スズメバチの天敵は、大きく動物・昆虫・寄生虫の3種類に分かれます。
スズメバチを食べる動物、スズメバチの体内に居候する虫…などなど、スズメバチにもたくさんの天敵がいるんです。ここではその一部を紹介しますね!
動物 | クマ ハチクマ モズ ニワトリ |
---|---|
昆虫 | オニヤンマ オオカマキリ ギンモンシマメイガ アブ クモ(番外編) |
寄生虫 | ネジレバネ カギバラバチ スズメバチタマセンチュウ |
強い毒性をもつスズメバチ。
そのため自然界の中でも最強の昆虫と思われがちではありますが、必ずしも食物連鎖の最上位にいる訳ではないんです。
では、スズメバチの天敵を詳しく確認していきましょう!
スズメバチの天敵について、まずは動物から紹介していきます。
クマは「はちみつ好き」といったイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
雑食のためはちみつも食べはしますが…実は「はちみつ」が好物というわけではありません。
クマは、スズメバチの成虫や幼虫、さなぎ、巣の本体など「巣のすべて」を丸ごと食べ尽くすんです。
クマがスズメバチを捕食する理由の一つとして、その栄養価の高さが挙げられます。
クマが冬眠に備えて栄養を蓄え始める時期と、スズメバチの繁殖時期はほぼ同じ。
ハチノコ(さなぎや幼虫)はたんぱく質や脂質を多く含むため、冬眠に備えるための食料としてぴったりなんです。
また、「クマはハチの毒針で攻撃されても平気なの?」といった疑問が浮かぶ方もいらっしゃるかもしれませんね。
実はクマは厚い皮膚と硬い毛で覆われているため、スズメバチの毒針を通しません。
そのため、スズメバチに攻撃されても構わず巣を破壊して持ち去っていきます。
都市部に生息するスズメバチにとっては縁のない存在ですが、山間部に生息するスズメバチにとっては脅威的な存在です。
よく「ハチは黒い服に反応して攻撃する」なんて話を聞くことがあるかと思いますが、これはハチが「黒いもの=クマ(天敵)」と認識するためなんですね。
ハチクマとは、ハチを主食とするタカのこと。
高山の森林に住む「クマタカ」というタカに似ていることから「ハチクマ」という名前がつけられています。
ハチクマの親鳥は、雛のためにスズメバチの巣を襲い、一つの巣盤ごとくわえて自分の巣に持ち帰ります。
そして幼虫やさなぎを抜き取った後の巣は、くわえて決まった場所に捨てに行くのだとか。
もちろんハチクマも、スズメバチの攻撃を受けて刺されてしまうことがあります。
しかしハチクマには硬い羽毛が密集して厚く生えており、そう簡単にはスズメバチの毒針を通さないため、攻撃を受けても平気なんです。
また、ハチクマはスズメバチが嫌がる独特のニオイを発しているといった説もあります。
そう簡単には攻撃されないような工夫がされているんですね。
ちなみに、ハチクマは準絶滅危惧種として保護対象になっています。
ハチクマを利用すればスズメバチ対策ができそうな気もしますが…野生の生き物を勝手に捕まえるのはNGです。
モズは、スズメより一回りほど大きい鳥です。
主に昆虫や両生類などをエサとしており、高いところから狙いを定めて獲物を捕らえます。
モズはスズメバチをはじめとした獲物を捕らえると、木の枝などの尖ったところに突き刺して保管する習性があります。
これは「はやにえ」と呼ばれ、秋頃になると頻繁に確認されるようになる行動なんですね。
この獲物は結局食べずに放置されるなど、モズはまだまだ謎が多い鳥です。
さらに準絶滅危惧種として指定している地域もあり、やはり駆除に利用するのは難しい面があります。
「ニワトリ」というと、畜産農家などで飼育されているニワトリがイメージされるかと思います。
しかしスズメバチの天敵になるのは「野生の」ニワトリです。
野生のニワトリは、主に昆虫をエサとしています。
エサとなる昆虫にはスズメバチも含まれており、野生のニワトリはまれにスズメバチも捕食することがあるんです。
しかし、畜産農家などで飼育されているニワトリは異なります。
飼育されているニワトリは、栄養価の高い加工されたエサをたくさん与えられる状態。
つまりエサに困らない環境で生きているんですね。
そのためわざわざスズメバチを捕まえて食べようとはせず、スズメバチ対策としての役割は期待できません。
いくらニワトリがスズメバチの天敵であるとはいえ、「ニワトリを飼育しているからスズメバチ対策は問題ない!」とはならないため注意が必要です…!
続いては、スズメバチとライバル関係にもなる昆虫を解説します。
オニヤンマは、昆虫を主な餌として生存する日本最大のトンボ。
体長は8cm〜11cmほどで、スズメバチの倍以上の大きさです。
スズメバチの天敵としては有名で、テレビ番組でもオニヤンマとスズメバチを戦わせる
企画が放送されていたりします。
オニヤンマは飛行能力に優れ、飛行スピードはスズメバチを上回るほどです。
そのスピードを活かしてスズメバチを捕食しますが、実は同様にスズメバチもオニヤンマをエサにしようと狙っています。
オニヤンマのような大型のトンボは生息地が限られ、さらに自然界においてスズメバチの捕食に成功する例は非常に稀なものです。
オオカマキリは体長7cm〜10cmの大型のカマキリです。
さまざまな昆虫を主食とする肉食の昆虫で、スズメバチをエサとして捕らえることも。
大きな鎌で獲物を素早く確実に捉えるといった特徴があり、スズメバチも大きな鎌で押さえ込み、アゴや毒針を使わせることなく捕食します。
しかしオオカマキリの弱点は飛行が苦手であること。
空からの攻撃に弱く、逆にスズメバチに捕食されてしまうこともあるんです。
ギンモンシマメイガとは、お米などの穀物をエサとする蛾の一種です。
ギンモンシマメイガのメスは、夜間にこっそりスズメバチの巣の外皮・巣盤に産卵。
卵からかえった幼虫は巣の中に潜り込み、巣盤を食べて成長していきます。
駆除した巣からギンモンシマメイガの幼虫が見つかることもしばしばで、そのような巣は内側の巣盤がボロボロになっていることがほとんどです。
スズメバチの巣を拡大させず、ひとつの巣にいる個体数を増やさないような役割も担っています。
一見するとスズメバチと似ているアブですが、実はスズメバチの天敵にもなりうる昆虫です。
「ハチかと思ったらアブだった…!」なんて経験がある方もいらっしゃるかもしれませんね。
なかでも次の三種類がスズメバチの天敵として有名です。
ムシヒキアブ | 飛行能力・動体視力に優れているアブ。 飛んでいるスズメバチを背後から襲う。 |
---|---|
シオヤアブ | スズメバチとほぼ同じ位の体長をもつアブ。 ムシヒキアブと同様に背後からスズメバチを襲い、口を突き刺して体液を吸う。 |
ベッコウハナアブ | 全身に橙色の毛が生えたアブ。 スズメバチの巣に卵を産み付け、卵からかえった幼虫は、死んだスズメバチの幼虫やさなぎを食べる。 |
ちなみにベッコウハナアブは、秋頃になると生きた幼虫やさなぎも食べ始めます。
昆虫ではありませんが、クモもスズメバチの天敵となる虫です。
クモは、あらゆる昆虫をクモの巣で捕獲してエサとしています。
スズメバチの飛行スピードをもってすれば、作りかけのクモの巣などを通り抜けるのはカンタンです。
しかし強力な粘性をもつクモの巣だった場合は、そのまま巣に捕まって捕食されてしまいます。
一方で、クモの巣にかかっていた獲物をスズメバチが横取りしてしまうことも…!
エサを争うという点でも、スズメバチとクモはライバル関係にあるんですね。
スズメバチの天敵は、動物や昆虫だけではありません。
同じ種であるスズメバチが天敵になるケースがあるんです。
たとえば「世界最強の捕食者」とされるオオスズメバチは、8月中旬から11月上旬頃に集団でキイロスズメバチの巣を襲撃。
数日かけて働きバチを全滅させ、中にいる幼虫やさなぎをエサとして持ち帰ります。
また、チャイロスズメバチは他のスズメバチの巣を乗っ取って生存するスズメバチです。
巣作りの時期になると、キイロスズメバチやモンスズメバチの女王蜂を殺し、もともといる働きバチに巣を作らせたり、自分たちの働きバチを育てさせたりします。
このように、スズメバチ同士が天敵の関係になることも珍しくはないんです。
もし今巣が作られている場合は、放置するとさらに危険なハチが寄ってきてしまうかもしれません。
巣を見つけたら放置せず、みんなのハチ駆除屋さんにご相談くださいね。
蜂の巣駆除の料金・到着時間はこちらのページにくわしく記載しております。
スズメバチの天敵について、最後は寄生虫の紹介です!
ネジレバネとはスズメバチに寄生する寄生虫の一種です。
オス・メスともにスズメバチに寄生しますが、オスは羽化するとすぐにスズメバチの体を離れます。
一方メスは羽化することなく、幼虫の姿のままスズメバチの体内に寄生し続けるんです。
ネジレバネに寄生されたスズメバチは巣にこもって働かなくなります。
ネジレバネに寄生された働きバチが多くなると、巣作りやエサ集めが行われず、巣の機能を果たせずに滅びてしまうんですね。
ただ、ネジレバネは他の動物や昆虫とは異なり、スズメバチを食べて殺すことはしません。
しかしネジレバネの場合,寄主から栄養を奪って成長するがそれを殺すことは基本的になく,本来の意味の寄生者である.むしろメスが寄生すると寄主を延命させることさえある.
あくまで、スズメバチの体に居候してコントロールすることにとどまります。
カギバラバチとはスズメバチに寄生するハチです。
他の寄生虫と異なり、自らスズメバチの体内に潜り込むことはありません。
カギバラバチの成虫は、葉っぱに卵を産み付けます。
その葉っぱを蝶や蛾の青虫がエサとして体内に取り込み、その青虫をスズメバチがエサとして幼虫に与えることで、やっと寄生が始まるんです。
スズメバチの幼虫の体内では、体液をエサとして急激に成長します。
成長したカギバラバチは、やがてスズメバチの幼虫の体を食い破って外へ。
その後、巣の中にいるすべての幼虫を食べ尽くして成虫になり、巣を飛び立ちます。
寄生に成功するカギバラバチの数は限られますが、一度寄生すれば巣を滅ぼしてしまう強力な寄生虫なんです。
「センチュウ」とは線形動物の総称で、動物や植物に寄生する無色透明の生き物です。
なかでもスズメバチタマセンチュウは、越冬中のメスのスズメバチ(女王蜂)に寄生します。
スズメバチタマセンチュウに寄生されたスズメバチは、卵巣が成長しなくなり卵を産めなくなってしまうんです。
スズメバチを不妊化させて繁殖そのものをストップさせるため、ある意味もっとも強力と言える天敵かもしれません…!
さて、ここまではスズメバチの天敵の一部を紹介してきました。
スズメバチを食べてしまう動物、スズメバチをコントロールする寄生虫などなど、うまく利用すればスズメバチ被害を抑えられそうな気もしますよね。
スズメバチの天敵はたしかにスズメバチの脅威となる存在ではありますが、私たちが個人で利用して駆除や対策を行うことは難しいでしょう。
ここまで紹介してきたスズメバチの天敵は、「自然界においての天敵」。
そのため、自然界で生きている動物や昆虫を人為的にコントロールするのは困難なんです。
また、クマやハチクマなどの動物を一般家庭で飼育するのは難しく、野生生物を個人で捕らえることは禁止されています。
自分で行うのが難しく、成功率の低い「天敵を使った駆除」を行うよりは、自分でできる身近な対策を行った方が効果的かもしれませんね。
ただ実は、寄生虫を利用できないか?といった研究は行われているようです…!
森林総合研究所では、スズメバチタマセンチュウを利用してスズメバチの刺傷被害を減らせる可能性があるとして研究が行われました。
オオスズメバチは世界最大のスズメバチで、毒性や攻撃性がきわめて強い危険生物です。また、キイロスズメバチも非常に大きな巣を作り攻撃性も強いため、毎年多くの刺傷事故をもたらしています。スズメバチタマセンチュウは、これら攻撃性の強い種を含めた3種のスズメバチに寄生することがわかりました。
引用:(「スズメバチの手強い寄生天敵スズメバチタマセンチュウ ―寄生されるハチの種類と国内分布が明らかに」森林総合研究所)
スズメバチタマセンチュウは、スズメバチのなかでも攻撃性の強いオオスズメバチ・キイロスズメバチに寄生することが確認されたのだとか。
人間の力で生態系をコントロールするのはなかなか難しい面がありますが、対策の一種として利用できる日も近いかもしれません。
ここまでお読みいただき、「スズメバチの天敵を使って対策できないのか…」と少しガッカリしてしまった方もいらっしゃるかもしれません。
しかしスズメバチの天敵を利用できなくとも、私たちがスズメバチから身を守るためにできることはたくさんあります。
まずは万が一スズメバチに遭遇した時の対処法から確認して行きましょう。
「目の前にスズメバチが飛んできた」など、万が一スズメバチに遭遇してしまったら威嚇させないよう次のように動いてください。
スズメバチは、自身の真下を視界に入れることができません。
そのためスズメバチの視界を外れることで、攻撃対象からも外れることが可能です。
ただし急に大きく動くとスズメバチを刺激してしまいます。
ゆっくりと視界を外れ、静かにその場から離れましょう。
スズメバチに刺されないために私たちができることは、大きく次の3つです。
スズメバチは、巣の安全を脅かす相手に対して攻撃を仕掛けます。
スズメバチに刺されないためには、とにかく巣に近づかず、刺激しないことが重要です。
また、スズメバチは強いニオイや黒い服にも反応を示します。
登山やハイキングなど自然の多い場所に行く際は、身につけるものにとくに注意してくださいね。
万が一近くでスズメバチを見かけたら、決して騒いだり手で追い払ったりせず、静かにゆっくりとしゃがんでその場を離れましょう。
スズメバチに刺されない対策をしたとはいえ、家の周りにスズメバチが寄ってくるような状況であれば、刺されるリスクは格段に上がってしまいます。
もしスズメバチがあなたの家の周りをウロウロしているのであれば、それは「近くに巣が作られている」もしくは「巣を作ろうとしている」ところかもしれません。
すでに巣が作られている状況であれば駆除が必要ですが、巣が見当たらない場合は、早めに対策することでスズメバチを追い払える可能性があります。
スズメバチを寄せ付けない方法として、次のことを試してみてください。
スズメバチは、木酢液やハッカ油などの刺激臭を嫌がります。
木酢液とは、木炭を焼くときに出た水蒸気・煙を冷やして液体にしたもの。
鼻がツンとするようなにおいが特徴的です。
また、ハッカ油とは「ハッカソウ」を乾燥させて抽出した植物油のこと。
スースーしたミントのにおいで、防虫効果があるとされています。
これらをスズメバチの巣ができそうな場所(軒下やベランダなど)にあらかじめ吹きかけておくことで、スズメバチを寄せ付けない効果が期待できるんです。
動物にとってハッカ油などの精油は悪影響になるため、ペットを飼っている方はご注意ください。
すぐに用意できない場合は、殺虫剤を吹きかけておくだけでも効果があります。
ただ、植物に悪影響をもたらす可能性があるので、ガーデニングなどをされている方はご注意ください。
巣を作らせないようにする予防としては、スズメバチトラップも効果的なので検討してみましょう。
また、スズメバチは甘いニオイや食べ物の残りカスのニオイにつられてやってくることも。
ベランダにゴミ袋を置いているご家庭は、フタ付きのゴミ箱を用意するなどの対策を行いましょう。
最後までお読みいただきありがとうございます!
スズメバチの天敵は、動物・昆虫・寄生虫など、意外にもたくさんいることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
しかしスズメバチの天敵を使った対策は、現実的に考えて難しいものです…。
スズメバチから身を守るためには、次のポイントを意識してみましょう。
人の命を脅かすほどの危険性をもつハチですので、攻撃的になる夏の時期はとくに注意してくださいね。
また、家の近くに巣が作られている場合は、刺される被害が出る前に対処することが重要です。
巣が作られてしまって心配な方は、みんなのハチ駆除屋さんにご相談ください。
スズメバチの習性を知り尽くした駆除の専門家が、それぞれの状況に合わせて徹底的に対策いたします!
蜂の巣駆除の料金・到着時間はこちらのページにくわしく記載しております。
以上、みんなのハチ駆除屋さんの日向でした。
あなたのスズメバチに関するお悩みがスッキリ解決されたら幸いです。
この記事を監修したハチ退治の専門家
日向 準(ひむかい じゅん)
スズメバチの天敵は「自然界においての天敵」と考えるのが適切です。
そのため、私たち人間が暮らす環境下ではコントロールするのが難しいものです。
巣を見つけたら早めに対処すること、刺されないような対策をすることで身を守りましょう。
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