埼玉県 Y・K様
毎年スズメバチに巣を作られて困っています。
小さい子どもがいるので、巣が作られる前に予防したいです。
調べてみると「スズメバチトラップ」を使う方法を見つけたのですが、作り方が何種類もあってどれがいいのかわかりません。
効果がなくてムダになるのは嫌なので、スズメバチトラップの効果的な作り方を教えて欲しいです。
みんなのハチ駆除屋さんの日向がお答えしますね!
スズメバチトラップには、一般的に「酒・酢・砂糖」を混ぜた甘くてニオイの強い誘引剤が使われます。
誘引剤は、微生物による発酵で樹液のようなニオイが発生します。
このニオイがスズメバチをおびき寄せるんですね。
誘引剤の材料や分量、調合の比率はさまざまですが、基本的に効果に決定的な差があるわけではありません。
このあと実際の写真とともに作り方を解説するので、誘引剤はあなたが用意しやすい材料&調合で構いませんよ!
ただし気候や地域、スズメバチの発生状況では少しずつ効果も変わる可能性があります。
たとえば神奈川県横浜市で行った研究調査では、 農地や林の多い地域での捕獲数が多かった との結果が。
4月末頃から捕獲され始めたとのデータも出ていますが、もちろん地域や気候が変われば、捕獲できる時期も変わってくるはずです。
同じ誘引剤でも効果が異なる場合があるため、いろいろな作り方を試してみてもいいでしょう。
そもそもスズメバチトラップは、女王蜂を捕まえて巣作りを食い止めるためのもの。
巣が作られ始める前の4月〜5月に設置しましょう。
この後お伝えする作り方・注意点をよく確認して、正しい方法で使用してくださいね。
※すでに巣が作られていた場合にトラップを使うと、危険性の高いスズメバチをたくさんおびき寄せることになってしまいます。
「今、巣が作られている」という場合は、みんなのハチ駆除屋さんにお気軽にご相談ください。
スズメバチトラップの作り方はとてもカンタン。
この3ステップで完了です。
材料と手順を詳しく解説していきますね!
スズメバチトラップを作るのに必要な材料はこちら。
作業に必要な 道具 |
定規 サインペン カッターナイフ 計量カップ ボウル(※無くてもOK) ろうと(※無くてもOK) |
---|---|
トラップ容器 | 空のペットボトル(1.5〜2Lの凹凸のないもの) ひも(ビニールひも・丸ひもなど) |
誘引剤 | 酒 300ml 酢 100ml 砂糖 100g ぶどうの皮(※無くてもOK) |
誘引剤の分量は、1.5〜2Lのペットボトル1本あたりに適した量を記載しています。
トラップをいくつか作る場合は、酒:酢:砂糖=3:1:1の割合を目安に量を調節してみてください。
ペットボトルは、なるべく凹凸がない丸いものを用意してください。(炭酸系に多いです!)
凹凸があると、中に入ったスズメバチが側面を登って逃げやすくなってしまいます。
ちなみに…「ぶどうの皮って何のために入れるの?」と思った方、いらっしゃるのではないでしょうか?
ぶどうの皮は誘引剤の発酵を促進させるためのものです。
ただ、ぶどうの皮が無くても発酵は進むため、用意できなくても問題ありませんよ。
なお、酒は焼酎などニオイの強いものがいいでしょう。
すぐに用意できない場合は料理酒やワインでも代用可能です。
誘引剤の作り方は、必要な材料を混ぜるだけです。
直接ペットボトルの中に入れても問題ありませんが、今回は事前にボウルの中でよく混ぜてから注ぎました。
「ろうと」を使用すると注ぎやすいですよ!
直接ペットボトルに入れる場合は、入れた後によく振って混ぜるようにしてくださいね。
誘引剤の調合レシピは他にもさまざまです。
一部紹介しますので、ご自宅にあるもの・用意しやすいもので作ってみてください。
続いてはトラップ容器を作成しましょう。
ペットボトル上部に、スズメバチを侵入させるための2cm四方の窓を4つ開けます。
雨がトラップに入るのをなるべく防ぐため、上部の切り込みは外側に。
スズメバチが外へ出ないよう、下部の切り込みは内側に折り曲げましょう。
スズメバチトラップはこのように、スズメバチが逃げにくい環境を作って捕獲するものです。
羽が誘引剤に触れると飛行が難しくなり、そのまま溺れてしまう…というわけなんですね。
ちなみに容器を作ってから誘引液を注いでも構いませんが、空けた穴からこぼれやすくなってしまいます…。
誘引液を入れてから穴を空けるのがおすすめですよ。
穴を空けたら、設置のためのひもを括り付けて完成です!
ちなみに、ここまでの所要時間は15分程度でした。
実際に、スズメバチトラップを作っている方の動画がアップロードされています。
こちらもとても参考になるので、気になる方はご覧くださいね!
ちなみに、スズメバチトラップは手作りだけではなく市販の商品もあります。
「自分で作るのは面倒だ…」という方は、手軽に使える市販のものもチェックしてみてくださいね。
スズメバチトラップが完成したら、実際にトラップを取り付けましょう!
スズメバチトラップは、スズメバチが巣作りを開始する前の時期(4月〜5月頃)に設置してください。
巣が作られ始める6月〜7月になると働き蜂の数が急激に増えます。
この時期に使用すると、大量の働き蜂をおびき寄せることになるため危険です。
そもそもスズメバチトラップは、女王蜂を捕獲して巣作りを食い止めるためのものでしたよね。
巣作りが行われる前までに設置し、巣作りを予防しましょう。
※すでに巣がある場合は絶対に使用しないでください※
トラップの設置作業は早朝(日の出の前)か夜間(日没から2〜3時間後)に行いましょう。
スズメバチは、日没から日の出までの間は巣に戻っています。
設置中にスズメバチが寄ってきて刺されてしまうのを避けるため、スズメバチが休んでいる時間に対処しておくことが重要です。
スズメバチトラップは、子どもが手の届かない高さで人が近づかない場所(木の枝部分など)に設置しましょう。
子どもが遊んでいる最中など、トラップに触ってひっくり返してしまったら大変です。
中に入っているスズメバチが生きていたら刺される可能性がありますし、雑菌だらけの誘引剤を浴びることになってしまいます。
また、ベランダや軒下などのよく出入りする場所に設置すると、トラップに寄ってきたスズメバチに刺される危険も。
子どもが届かない場所、かつ私たち大人もあまり近づかない場所に設置してください。
加えて、可能であれば日陰になる場所を選ぶのをおすすめします。
というのも、日に当たると誘引剤が蒸発しやすくなるほか、誘引剤の中で発酵を助けている微生物が死滅してしまうためです。
スズメバチトラップの交換の目安は取り付けから2週間程度。
2週間を過ぎると、徐々に効果が薄れてきてしまいます。
2週間経っていなくても、女王蜂で誘引剤の水面が見えなくなってきたら、中身を交換しましょう。
交換の際は、中に入っているスズメバチが完全に死んでいることを確認してくださいね。
トラップの中身は以下の手順で処分してください!
完全にスズメバチトラップを撤去する場合、そのまま捨てるのはNGです。
トラップの容器と中身を分別して処分しましょう。
スズメバチトラップを使用する際は、あなた自身や周りの人の安全のために次の2つのことに注意してください。
スズメバチトラップは、誘引剤を使ってスズメバチをおびき寄せるものです。
周りの人が刺されないように、「スズメバチを捕獲しています。触らないでください。」「危険!スズメバチ捕獲中」といった張り紙をトラップに取り付けておきましょう。
さらにスズメバチは、死んでからも24時間程度は反射的に毒針が動きます。
トラップにかかったスズメバチは決して触らず、先ほどお伝えした方法で処分してくださいね。
ちなみにスズメバチトラップは、アシナガバチやミツバチの捕獲にはあまり効果がないためご注意ください。
スズメバチトラップは、その効能の高さから多くのご家庭で使用されているようです。
中には、地域単位でスズメバチトラップを使い、蜂の巣予防に取り組んでいるケースも。
(参考:「宇部で「スズメバチトラップ」回収 最も大きい女王バチは体長6センチ」山口宇部経済新聞)
ただ、使用するのはスズメバチに巣を作られやすい場所のみにしましょう。
スズメバチは私たちにとっては危険な生物ですが、農作物を食い荒らす害虫を食べてくれるなど益虫としての役割も担っている生物です。
やみくもに設置しないこと、スズメバチをむやみに捕獲するための道具ではないことを覚えておいてくださいね。
「せっかくトラップを作ったのに効果がなかった…」
「またスズメバチに巣を作られてしまった」
もしもスズメバチに巣を作られてしまったら、被害が出る前に早めに対処しましょう。
巣が小さいうちはご自分で駆除することも可能ですが、7月以降の大きくなった巣は本当に危険です。
大きくなってしまった巣は、専門の駆除業者に依頼することで安全にすみやかに駆除できます。
自分では対処しきれないと感じたら、業者を頼ることも検討してみましょう。
とはいえ…あらかじめスズメバチトラップで巣を防げるのが1番ですよね。
記事で紹介した方法を実践して、何度も作られるスズメバチの巣から解放されましょう。
ここまでは、みんなのハチ駆除屋さんの日向がお届けしました。
スズメバチに関するお悩みが解決されることを願っています。
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